腎臓病用キャットフード
腎臓病用キャットフードは塩分を制限するとともに、腎機能を悪化させる尿毒症や高リン血症に配慮し、タンパク質とリンを制限しています。
腎疾患により失われやすいビタミンB群を強化し、オメガ3系不飽和脂肪酸を加え、栄養バランスを高めています。
可溶性の繊維は腸内環境を整え、窒素性化合物の吸収を抑制し、腎疾患を栄養面からサポートします。
腎臓病は高齢になることにより顕現化しますが、15歳を超えた猫の約30%が慢性腎臓病になっているといわれます。
元々猫は、尿結石や腎臓病になりやすいものですが、それは、猫の腎臓の働きによるものです。
猫の祖先はエジプトの砂漠地帯で育ったため、水は生きる上で大切なものでした。
そのため、一般的な動物の場合、腎臓は不純物をろ過するものでしたが、猫の場合、再吸収する働きが備わっています。
一旦腎臓病になると、水分を再吸収する機能が低下し、血液濃度が高くなります。
その結果、水分が不足し、毒素の濃度が高くなり、悪化を助長してしまいます。
そのため、水分の補給が症状の改善、機能の維持に重要となります。
腎臓の悪くなった部分が回復することはありません。
腎臓病用キャットフードや水分補給で正常な部分の機能を維持するだけです。
進行するに従い食欲も低下していきますので、食事の回数を4回程度に増やす方が、消化吸収にもよく、療法食の機能を高めることにもなります。
7歳以上になったら、定期的に受診して健康状態を管理することも考慮に入れるべきですが、日常の生活の中で、小さな異変に気付いてあげることも大切です。
水をたくさん飲むようになった、たくさんおしっこをするようになった、おしっこの臭いが少なくなったなどは大きなポイントです。
すぐに受診して医師に相談しましょう。
すでに腎機能が低下している証拠です。
受診で腎臓の機能が低下していることが分かった時が、腎臓病用キャットフードを始める時期でもあります。
療法食は病気の早い段階で始める方が、機能の低下の予防にもなり、機能の維持にもなります。
ウェットフードも併用して、できるだけ多くの水分が摂れるようにしましょう。